訪問看護運営規程の考え方

仕事

介護サービス運営規程の内容

実際の書類作成には、実施する自治体の監査担当部署や、弁護士、行政書士等にご相談下さい。

「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」にうたわれている運営規程の内容は下記のとおり、なのですが・・・・

第七十三条 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
一 事業の目的及び運営の方針
二 従業者の職種、員数及び職務の内容
三 営業日及び営業時間
四 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額
五 通常の事業の実施地域
六 緊急時等における対応方法
七 その他運営に関する重要事項

でも、ネットで「運営規程」を検索すると内容が色々で、何を書いていいのかわからないわ・・・

運営規程は保険者(市町村)によって指導が違います。
そこで、
・指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
・岡山県モデル重要事項説明書
・愛知県岡崎市事業所説明会資料(ネット未公開)
を参考に、モデル運営規程を作成しました。

運営規程例はこちら(word形式の書類が開きます)

運営規程例【ケアマネージャーの中庭】

下記で何が根拠になっているか解説しています。
ご参考にしていただければ幸いです。

■○○条○項→「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の条文と項目
■モデル→岡山県モデル重要事項説明書
■監査指導→愛知県岡崎市事業所説明会(集団監査)資料
を参考にしています。

表題

 

○○○○訪問看護 
指定訪問看護・介護予防訪問看護 運営規程 
事業所の名前を記入

事業所の名前は事業の看板となるもの。短くわかりやすいものをお勧めします。当然ですが、事業所の名前は契約書、重要事項説明書、運営規程すべてで同じ名前を使用します。介護予防にも対応した内容にしています。(監査指導)

事業の目的

基準第73条の一に対応する内容です。どの運営規程も「事業の目的」が第一条になっていることが多いです。

医療法人△△△△医院が行う指定居宅サービス・指定介護予防居宅サービスに該当する訪問看護(以下「事業者」という。)の事業は、要支援または要介護状態と認定された利用者に対し、訪問看護のサービスを提供することで、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援し、心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指すこと目的とする。  ○要支援を入れ、介護予防に対応した内容にしています。

○基準五十九条の内容を反映してあります。

※今回は病院・診療所などの指定訪問看護に対応した内容です。
基準(基本方針)第五十九条 指定居宅サービスに該当する訪問看護(以下「指定訪問看護」という。)の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援し、心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指すものでなければならない。

基準の基本方針と、事業所の運営目的を同じにし、介護保険法と同じ方向を向いてますよ、という意味で内容をかぶらせています。

運営の方針

運営の方針は、第2条となっていることが多いです。

要支援または要介護者の心身状態に応じ、全体的な日常生活動作の維持、回復を図るとともに、生活の質の確保を重視した在宅医療が継続できるように支援する。適切な訪問看護のサービスを、24時間体制で提供する。訪問看護のサービス実施にあたり、サービス従事者の確保・教育・指導に努め、利用者個々の主体性を尊重して、地域の保健医療・福祉など関係機関との連携により、総合的な訪問看護のサービス提供に努める。 ○基準の内容に沿ったものをいれています。

 

 

ここの内容は各事業所の運営方針を自由に記入すればいいと思いますが、ここでも基準とつながっている言葉を入れてあります。

24時間体制 緊急時訪問看護加算をとっている為
サービス従事者の確保・教育・指導  勤務体制等の確保 30条
個々の主体性
 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
70条
地域の保健医療・福祉などと関係機関との連携  居宅介護支援事業者等の連携 62条2項

名称及び所在地

事業所の名称と、所在地を記載します。今回は病院併設なので病院の住所です。所在地は番地、号、アパート番号まで正確に記載してください。

職種、員数及び職務の内容

まず、職種と職務内容をみてみましょう。

職種

職種 必須か 条件 根拠
管理者 必須 常勤で必要な知識及び技能を有する、原則は保健師又は看護師 60条
2項3項
保健師、看護師又は准看護師 必須 保健師、看護師、准看護師の資格を持つ者 60条1項
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
任意 事業所がリハビリを提供して給付を行う予定ならば必要
事務員 任意 受付、会計、診療報酬等の必要な事務 モデル

さらに、職務内容を見てみましょう。

管理者

事業所の従業者の管理および指定訪問看護・介護予防訪問看護の利用の申し込みに係る調整、業務の実地状況の把握その他管理を一元的に行う(モデル) 28条参考・準用はありません
また、医学的観点から計画の作成に必要な情報提供及び療養について指導、助言や利用者・可増に対する療養上必要な事項の指導、助言を行う(モデル) 70条5項






看護職員のうち主として計画作成等に従事する者

指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師から文書による指示を受けるとともに、主治の医師に対して訪問看護計画書及び訪問看護報告書を提出し、主治の医師との密接な連携を図る(モデル) 69条2項
主治の医師の指示に基づく訪問看護計画の作成を行うとともに、利用者等への説明を行い同意を得る (モデル) 70条2.3項
利用者へ訪問看護計画を交付する(モデル) 70条4項
指定訪問看護の実施状況の把握及び訪問看護計画の変更を行う(モデル) 70条・集団監査
利用者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行う(モデル) 68条2項
常に利用者の病状、心身の状況及びその置かれている環境の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な指導を行う(モデル) 68条4項 
サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者と連携を図る(モデル) 64条
看護師等 
訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成し、訪問看護等を行う(モデル)  
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 訪問看護を提供している利用者については、利用者の状況や実施した看護(看護業務の一環としてのリハビリテーションを含む)  

 

員数

仕上げに員数です。員数は、「常勤専従」「常勤兼務」「非常勤専従」「非常勤兼務」の4種類に分けましょう

(1)病院以外(60条1)

保健師、看護師又は准看護師 常勤換算方法で2.5人以上
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 指定訪問看護ステーションの実情に応じた適当数

(2)病院・診療所(60条2)

保健師、看護師又は准看護師 指定訪問看護の提供に当たる看護職員を適当数で、ひとりは常勤
介護予防訪問看護、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業者、指定看護小規模多機能型居宅介護も同様です。(60条3.4.5項)
職務、員数をまとめた表
職務 職種 常勤専従 常勤兼務 非常勤専従 非常勤兼務 備考
管理者 (原則)
保健師、又は看護師
従業者 保健師、看護師
従業者 准看護師
従業者 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
従業者 事務

マスを埋める感じで記載していきます。集団監査より、勤務形態は4種類に分けるよう指導があります。
非常勤の常勤換算方法はこちら※準備中

営業日及び営業時間

病院併設でしたら病院の営業日、営業時間と同じでいいと思います。サービス提供時間とは別ですので、ご注意ください。

訪問看護の内容

こちらは実際に提供する訪問看護の内容ですので、事業所の実情に合わせたものでいいと思います。基準では特殊な看護等は行ってはならないとされています。(68条5項)
訪問看護内容の例
○病状・障害の観察 
清拭・洗髪等による清潔の保持 
食事および排泄等日常生活の世話 
床ずれの予防・処置 
リハビリテーション 
ターミナルケア 
認知症患者の看護 
療養生活や介護方法の指導 
カテーテル等の管理 
その他医師の指示による医療処置 

他には、看護師訪問看護計画書の作成及び利用者又はその家族への説明、訪問看護計画書に基づく訪問看護、訪問看護報告書の作成等を記載してもいいと思います。運営規程例ではモデルから文章を頂いて記載しました。

通常の事業の実施地域

こちらは事業所で提供する実施地域を、○○市○○町、□□市△△学区など具体的に記載します。ここに掲載されていない地域が、交通費を頂く地域になります。

 訪問看護の利用料

基準66条に「利用料等の受領」が記載されています。

訪問看護って、一か月利用するといくらなの?

 

区分支給限度基準内単位数×単位数単価(地域加算)=費用総額保険/事業対象分 (費用総額保険/事業対象分)×給付率=保険/事業費請求額 (費用総額保険/事業対象分)ー(保険事業費請求額)=①利用者負担(区分内)
区分支給限度基準額に含めない加算の区分支給基準内単位数×単位数単価(地域加算)=費用総額保険/事業対象分 (費用総額保険/事業対象分)×給付率=保険/事業費請求額 (費用総額保険/事業対象分)ー(保険事業費請求額)=②利用者負担(区分支給限度基準額に含めない料金)
当事業所に係る区分支給限度額基準を超える単位数×単位数単価=③利用者負担(オーバー分)
④発生した実費(交通費等) ①+②+③+④よ。

 

・・・利用者にわかりやすく説明されてないじゃない。

あなたの言うとおりね。

利用料の記載って難しいですね。毎月変わりますし、地域加算だって法改正で変更になるときがありますし、改正に応じて毎回運営規程を変更するのは大変だと思います。今回は、岡山市のモデル重要事項説明書に記載されている文章をそのまま記載しました。

運営規程例はこちら(word形式の書類が開きます)

運営規程例【ケアマネージャーの中庭】

 

訪問看護のその他費用

実費の部分です。この運営規程に記載した内容を、重要事項説明書に連動させます。今回は4種類記載しました。

①交通費(66条3項)
交通費は、通常の事業の実施地域外でサービスを提供した場合に請求できます。集団監査より、交通費を請求する際は事業所を起点とするのではなく、通常の事業の実施地域を越える地点からになりますのでご注意ください。(監査指導)

②キャンセル料

a,〈医療保険・介護保険〉
b,前営業日の17時以降 1提供あたりの料金の100%
c,利用者の病状の急変や急な入院等、その他やむを得ない場合には、キャンセル料は請求いたしません。

a,介護保険で訪問看護のサービスを開始しても、特別指示書により医療保険でのサービス提供に切り替わる時がありますので、どちらでも対応できるよう記載しています。
b,いつまでに連絡がなければいくらのキャンセル料を取るか記載します。
c,前営業日の17時でしたら、月曜日訪問予定で日曜日に都合が悪くなったらキャンセル料取られてしまうので、ご利用者様の負担にならないよう注釈を記載しています。キャンセル料の規定は、不要や急なキャンセルまたは再開を防ぎ、業務を円滑に進める効果もあります。

③衛生物品費
ガーゼなどの消耗品は基本的にご家族に用意してもらうと思いますが、ご家族が介護に積極的でなかったり、金銭的な理由でなかなか用意してもらえない場合があります。そういう時は業務が円滑に進まず、ジレンマを抱えることもあると思いますので、この記載をしました。

④その他
複写物等ですね。悲しいですが裁判になったときに、記録の複写物(コピー)を請求されることがあります。このコピー代です。以前、裁判資料として複写物の請求が来た際(事業所への苦情ではなく、兄弟間の相続問題でしたが)、費用として3万円以上頂いたことがありました。

 

緊急時等における対応方法

事業者は、訪問看護のサービスを提供しているときに、利用者の病状に急変が生じた場合、またはその他必要な場合は、速やかに主治医または家族へ連絡するとともに、その他必要な措置を講じる。
事業者は、前項について、しかるべき処置をした場合は、速やかに管理者および主治医に報告しなければならない。
72条

 

 

その他運営に関する重要事項

苦情処理の体制及び手順

重要事項説明書への記載は必須ですが、集団監査で記載の指導があった為、運営規程の中にも記載しました。

提供した指定訪問看護に係る利用者及びその家族からの相談及び苦情を受け付けるための窓口を設置する。 36条
事業所 、名称、担当者、連絡先 36条
保険者の介護保険課苦情担当、連絡先  36条4項
県国保連の介護保険課・苦情相談室電話番号 36条5項

相談及び苦情に円滑かつ適切に対応するための体制及び手順は以下のとおりとする。

利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要 

事業所の新規申請の際に提出する上記の概要の内容をここに記載します。

利用者に関わる苦情、事故、ヒヤリハットの記録残す。 36条2項/集団監査
事故が発生した場合は市町村等へ報告する。 集団監査
抑制防止検討委員会を設置し、定期的に開催する。
集団監査

事故発生時の対応

こちらは集団監査で指導があった為記載しました。

事業者は、利用者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、利用者の家族、居宅介護支援事業者等に連絡を行うとともに、必要な措置を行う。 37条
事業者は、利用者に対する指定訪問看護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行う。 37条3項

具体的に、加入している損害賠償責任保険を記載している運営規程もあります。

保険会社名   ▽▽▽▽
保険名     ××××
保障の概要  (保険の説明) 

事業者は、事故の再発防止に努める。  集団監査

 

個人情報の保護 

個人情報の保護については、モデル重要事項説明書を参考にしました。ちなみに「個人情報の保護」「秘密の保持」「守秘義務」色々な表現がありますが、ほとんど同じ意味でいいと思います。

事業者は、利用者の個人情報について「個人情報の保護に関する法律」及び厚生労働省が策定した「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」を遵守し、適切な取り扱いに努める。 (モデル) 生労働省HP
事業者が得た利用者の個人情報については、事業所での介護サービス提供以外の目的では原則的に利用しないものとし、外部の情報提供については必要に応じて利用者又はその家族の了解を得るものとする。 (モデル) 33条

 

 

指定訪問看護の基本取扱方針 

これは必須ではありませんが、モデル重要事項説明書を参考に記載しました。参考にした岡山市のモデル重要事項説明書は、重要事項説明書だけで契約書や運営規程もまかなえるような厚みのあるものになっている様子です。その為、モデルに記載されていて、ケア美が作成した重要事項説明書に掲載していない項目として、この項目を記載しました。書いておけば間違いはないだろうという、打算的な考えに基づくものです。

事業所は、利用者の要支援または要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、療養上の目標を設定し、計画的に行う。 67条
 事業所は、定期的にモニタリングを実施し自らその提供する指定訪問看護のサービスの質の評価を行い、常にその改善を図る。  67条2

その他

研修について サービス提供体制強化加算の算定要件に研修がある為、加算をとっているところは入っていると思います
従業員の秘密保持について 33条
運営に関する重要事項の協議について 色々な運営規程に入っている

 

ふう・・・・大変だわ・・・

お疲れ様でした!
ネットで調べた運営規程の内容がバラバラなのは、保険者によって指導が違うからです。詳しくは保険者の監査指導室などにお問合せ下さいね。

 

 

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